大学進学を考える中3生が知っておきたいこと。
私(代表熊野)は毎日、大学受験生・予備校生を指導しています。そんな私が今日、中3生・そして保護者さまに私が伝えられることは以下の2点です!
各高校の指導力(実情)を可視化しました!各高校の特性を考えて志望校選びを!
いま、すでに大学受験は始まっている。数学と英語を将来(さき)を見据えて取り組みましょう!
1 あなたに(お子様に)ぴったりの高校はどこか?
を、贔屓目なしに数値化しました。2021年の大学入試結果をもとに、各高校の「合格力ポイント」をランキング形式にまとめました。
まず、各高校の国公立大合格者数を下記の4カテゴリーに分類します。
・最難関大学(東京・京都・一橋・東工大+医学部医学科レベル)
・難関大学部(旧帝大+薬学・歯学・獣医レベル)
・中堅大(金沢大などのブロック大学)
・地方大(富山大・県立看護大などの地方の国公立大レベル)
この表から、それぞれの高校の進路先のボリュームゾーンがわかり、希望する進路実現のためには進学先の高校で何番以内に入らなくてはならないのか、各高校の具体的な姿や高校入学後の具体的な目標設定が見えてきます。
高校 | 最難関 | 難関 | 中堅 | 地方大 |
金沢泉丘 | 上位15% | 中位 | 上位70% | 少数(浪人か) |
金大附属 | 上位25% | 中位 | 上位60% | 少数(浪人か) |
小松 | 上位10% | 上位20% | 中位 | 上位70% |
金沢二水 | 難しい | 上位10% | 中位 | 上位70% |
金沢桜丘 七尾 金沢錦丘 | 5番以内 | 上位10% | 上位30% | 上位60% |
星稜 | 難しい | 5番以内 | 上位10% | 上位30% |
金沢泉丘、金大附属、小松の3校以外は、年度によって学年の学力のばらつきも大きくなるので、校内順位はあくまでおおまかな目安程度に考えておいて、石川県内の順位を物差しにすることをお勧めします。
次に、国公立大学への合格者を、その合格先の難易度別に分類し、出身高校別に表します。
・最難関大学レベル(東京・京都・一橋・東工大+医学部医学科レベル)
・難関大学部レベル(旧帝大+薬学・歯学・獣医レベル)
・中堅大レベル(金沢大などのブロック大学)
・地方大レベル(富山大・県立看護大などの地方の国公立大レベルなど)
この表から、希望する進路実現のためにどの高校を選ぶべきか、参考になるでしょう。
最難関大学レベル(東京・京都・一橋・東工大+医学部医学科レベル)では、金沢泉丘・金大附属高校で石川県からの合格者の7割を占めています。金大附属が金沢泉丘の3分の1にも満たない定員数であることを考えると、最難関大・学部への一番の近道は「金大附属」ということになりそうです。
難関レベル(旧帝大+薬学・歯学・獣医レベル)では、金沢泉丘の上位層の厚さを感じます。また、小松高校や二水高校の上位陣も検討しており、全国レベルで戦う意思があるのであれば、この4校に進学するのがスタートラインとなりそうです。
金沢大学以上の合格を目指すなら、学年上位をキープするという条件がつきますが、金沢桜丘や金沢錦丘も家から近いなら選択肢になりそうです。
あわよくば金沢大学、悪くてもどこかの国公立大学に滑り込みたいおう場合には、七尾高校や星稜高校も選択肢になります、ただ、地方大レベルゾーンであれば、10名〜30名程度の合格者を出す一般的な普通科の高校はそれぞれの地域にありますので(小松明峰・飯田・金沢西・羽咋など)、家からの通学時間や部活動、学校の雰囲気や制服など、勉強以外の魅力を基準にして高校を選べばよろしいかと思います。また、地域の公立高校に魅力を感じない場合は、星稜・金沢学院・金沢高校からも十分に合格が狙えます。公立・私立を問わず、学年で上位15%を目指したいですね。
2 ☆☆大学(学部)に行くなら、△△高校の上位◎%に入ろう!というラインは決まっている。
石川県内から東大に行く人数は例年決まっています。医学部にしても同様です。つまり、金沢の進学校の生徒であれ、能登や加賀の高校生であれ、地方の普通科高校の生徒であれ・・・
県内で○○番にいれば△△合格が見えてくる
というラインが存在します。そこで、国公立大学を難易度で5段階に分類し(→合格力ポイントの難易度分けについてはこちら)それぞれの大学に合格するために、県内でどのくらいの位置にいればよいのかを見ていきましょう。
中3生が受験する「石川県総合模試」では、志望校の合格判定はもちろんのこと、各教科の県内順位もわかりますので、高校受験を通じて<英語>・<数学>を県内でどの程度までレベルアップできているかを判断する指標に利用することをお勧めします。受験人数や受験する生徒の層を考慮すると、第5回〜第7回あたりの県内順位を参考にすることをお勧めします。
3 すでに大学受験は始まっている。数学と英語を将来(さき)を見据えて取り組みましょう!
始まりしたね、「二月の勝者」。土曜日の授業後の楽しみになっています。良い悪いは抜きにして、都会の教育と地方がいかに違うかが分かると思います。大学受験を全国大会と捉えている(10大学や難関学部ー合格力ポイント4ー5レベルで戦うことになる生徒)中3生やその保護者さまには、3年後に戦うことになるライバルたちの学習履歴を知る機会になることを期待しています。
中学受験をするご家庭は、「中高一貫」の指導カリキュラムへのメリットに時間とお金を投資しているわけです。石川県では星稜中学が平成29年に「中高一貫」校になったの契機に、来春には金沢学院附属中学校と金沢龍谷高校中等部が開校しますね。石川県に馴染み深い北陸学院中学校、金沢大学附属中学校、金沢錦丘中学校が「大学受験に特化した先取りカリキュラム」を組んでいないのに対し、星稜・金沢学院附属・金沢龍谷は首都圏の「中高一貫の進学校」を意識したカリキュラムになります。
東京大学の合格者ランキングをみてみると、上位はすべて「中高一貫」の指導カリキュラムのある中学・高校になっています。
順位 | 学校名 | 区分 | 合格者数 |
1 | 開成中学校・高等学校 | 私立中高一貫 | 144名 |
2 | 灘中学校・高等学校 | 国立中高一貫 | 97名 |
3 | 筑波大学附属高校駒場中学校・高等学校 | 私立中高一貫 | 89名 |
4 | 麻布中学校・高等学校 | 私立中高一貫 | 86名 |
5 | 聖光学院中学校・高等学校 | 私立中高一貫 | 79名 |
東大だけでなく、医学部医学科・薬学部・獣医学部・歯学部などの難関学部を大学受験する際にも、やはりこうした中高一貫高校(合格力ポイント5.0以上)の生徒との勝負を避けて通ることはできません。実際にはどのような差が生まれているのでしょうか?
3年後に合格を争うことになるライバルは1年以上先に進んでいます。みなさんが来春、高校に入学する時点で、彼らとは高校で扱う数学の教科書5冊分のうち2冊分+理科の教科書4冊分のうち2冊分の差がついています。結果、金沢泉丘や金大附属ですら高校数学・高校理科を学び終えてから大学入試に備えるための時間が5ヶ月ほど確保するのが精一杯の一方で、中高一貫校かは公立高校に通う生徒に比べて1年程度の時間的貯金ができるのです。
高校受験においても、塾やYoutubeを使って。すでに中学範囲の数学や英語を学び終えて、毎日のように全国の公立高校や私立高校の問題を解きまくっている同級生も周りにいることでしょう。入試と言う、出題範囲が決まっているなかでのコンテストですので、出題範囲を学び終えた人間が、そのコンテストで高いパフォーマンスを発揮できることは容易に想像できます。また、大学入試(高校で学習する内容)は高校入試(高校で学習する内容)に比べて、量が増え、内容も難しくなります。ですから、出題範囲を学習し終えて試験への準備期間を確保するメリットは、高校入試に比べると大きくなります。そういった事情は、東京大学の合格者ランキングからも裏付けられるわけです。石川県でも、星稜学校、金沢学院附属中学校、金沢龍谷高校中等部と「大学受験に向けた先取りカリキュラム」を売りにする中高一貫校が増える動きがあり、5年後10年後が楽しみです。
ということで、全国区を目指す、みなさん!
「医薬歯獣」や「10大学」(最難関+難関)を想定して高校選びをするのであれば、「高校入試のため」の勉強と「進路実現のための勉強」を区別しましょう。
何を・どのレベルで解けるようになるべきか!
そのためには何を・どうやって・どのくらい解き込むか!
日々の自分の勉強を、量の点で、質の点で、「進学校」を目指す全国の同級生に合わせるべきだということです。
・英語と数学を優先させよ。
中3生いわゆる「高校受験」期間を、全国の「進学校」(私立の多くは中高一貫校で15カ月くらい先を勉強している)に進む同級生との距離をつめる期間ととらえるならば、圧倒的に数学・英語の学力育成に比重をおくべきです。
受験戦略は<英数国>の3教科の成績で決めている。
高校入試や中学時代の模試は5教科の総合得点ですね。が、高校生になると定期テストはもちろん全教科ありますが、全国規模の模擬試験は、国語・数学・英語の3教科になります。各教科の試験結果に加え、3教科総合、国語+英語(数学を大学受験で使わない文系用)数学+英語(国語を大学受験で使わない理系用)の成績が全国・県内・校内で出てきます。自分にとって必要なデータを参考に受験の計画を立てていくわけですね。
もちろん、高校2年生の11月からは国語・数学・英語に加え、理科・社会も含めた5教科の模擬試験になります。
しかし、まってください。
高校2年の11月って、高校生活の折り返しをすぎていますよ。もう共通テストまで14ヶ月しかありません。そもそも難関大以上を狙う高校生は、高2の夏には、目標大学を意識したトレーニングを始めていますよ。
そもそも「残り1年でどこを目指すか?」をどうやって決めているか?
目標大学を判断する材料の最たるものが、いわゆる全国模試になります。
模試の(英語+数学+国語)
または(英語+数学)
または(英語+国語)
の成績をもとに、自分の目標となる範囲(Range)を少しづつ絞るものです。人間誰しも、現実不可能な目標など設定しません。高校2年生になるころには、このままがんばれば残り2年で〇〇へ到達できるかも。△△は難しいかな・・・というように、現状の学力をベースに、進路設計をします。ですから、数学・英語の学力をもった学生は、高校に入ってから難易度の高い進路実現へ向けて、モチベーションを高く設定できるのです。
中学時代の理科・社会は、すべて高校で1から学び直しになります。理科は独学での先取りの時間的・労力的コスパが悪いため、高校の進度頼みになるという側面もあります。
ですから、一般的な現役生の場合、高2夏までの
(英語+数学+国語)
または(英語+数学)
または(英語+国語)
の学力をベースにして志望校を設定し、
高校時代の残り1年で第一志望大学に合格するために
理科・社会を演習するケースが圧倒的に多いのです。
ですから、高校2年夏までに、英語+数学or国語をそれだけ高いレベルにもっていけるかは、本当に大きなテーマですし、その訓練を「高校受験」を利用してできている生徒と、「高校に受かることしか見えていない」生徒では、1年後取り返しのつかないほどの差が生まれるわけです。
数学ー図形と整数に慣れ親しむ(ほど解きまくる)。
「高校合格」を最終目標として勉強するならば、<中学入試・高校入試>で学ぶ図形や数(整数)の問題を通り一遍の勉強で終わらせても何の問題もありませんが、<大学受験数学>では整数問題は理系の学部の個別試験には必ず出題されますし、・ベクトル(数B)・微積(数Ⅲ)でも図形へのアプローチが肝心です。初動アプローチができなければ、せっかく高校でならう公式も使えません。 例えば、数Ⅲで体積を求める問題・・・で、なんでここの断面で切ろうという発想になるのか・・・それは、成功体験よって体得した”勘”であることが多いです。目の付け所がいい・・・生まれ持って目の付け所が良いのではないのは当然です。何度も何度も解くことで、平面図形・空間図形に対する”目の付け所のよい”初動アプローチがとれるのです。
<大学受験>において難関進学校の<中学入試・高校入試>を突破した生徒が圧倒的に強いのは、こうした問題への耐性・経験知があるからです。 中学3年生の部活引退〜高校入学までの300日間、こうした勉強の質・中身を意識して300日間を積み重ねるか・漫然と高校入試に受かることを目標として日々を積みかさねるかで、高校入学後に大きな違いが生まれます。
「高校合格」の先を見据えるのあれば、平面図形・空間図形の(3)から逃げてはいけません。中学受験や地方のトップ公立高校の高校受験ををくぐりぬけた人間に比べて、大きなハンデを背負うことにもなりかねません。
英語ー語彙を強化すればどこまでも先取れる!
前提として、英語は国語同様、無学年教科です。理科や数学と違い、学校で習ったか・習っていないかの違いよりも、本人の習熟度の差が大きく出ます。偏差値45の高校3年生より偏差値70の中3生のほうが、同じテストを受ければスコアは上でしょう。英語は中学校や高校の進度と関係なく、自由に学習を進めることができます。この点で、前述の「先取りに適さない理科」とは話が違います。
今年から新学習指導要領が実施されており、今年の中3生の高校入試から適応されます。習得すべき英単語数が大幅に増え 文法単元が前倒しになりました。 「現在完了進行形」「原形不定詞」「仮定法」が高校文法から中学校で学ぶ単元へと変更されました。つまり、来春の高校入試に出題される可能性が高いということです。ここまできますと、もはや高校生になって初めて学習するという英文法分野がなくなります。
確かに、指導要領の改定により、高校受験生の負担は増えますが、同時に学校で習う文法をしっかり見につければ、あとは語彙を強化することで、大学受験の英語をどこまでも先取れるのです。もはや「英語を先取る」という表現すら適さないのです。文法分野に関しては、中学範囲で学びおえてしまうのですから。
読解に必要な文法力とは・・・?
下の2枚の写真の違いがわかりますか?分りませんよね笑
1枚は、10大学にA判定が出ている浪人生の模試の訂正ノートです。もう1枚は、中学3年生の演習ノートです、何も違いませんね。そうなんです、英文を読解するために必要な技術は、本来中学校で学んでいるのです。
普段の英語学習から、英語の構造を意識できていれば、後は語彙力を高めるだけで、どこまでも強く、どこまでも成長できます。その一方で、羽ばたきます。そしてそれに特別な才能は要りません。
文型がわからない?それは塾に通っている・通っていないのレベルの問題ではありません。例えば、youtubeでも「ただよび」さんを利用すれば、すぐに理解できます。「文型」をインプットしたあとのアウトプットについては、欲を言えば塾などの専門家にサポートしてもらうのがベストかもしれませんが、ここでは2種類ほどお勧めの教材をしてしておきます
1 東進ブックス 英語長文 レベル別問題集 <超基礎編>→<基礎編>が高校入試の出題文を素材にしており、無理なく始められます。英語の構造を理解する上で必要な演習を詰めるでしょう。
注意 なんとなく訳せるから、記号の意味が分からなくてもかまわない では、語彙レベルと取り扱う文章のテーマが抽象的になるととたんに英語ができなくなりますよ。(残念ながら、この発症時期は高2の終わりから高3の初めの時期が多く、難関大を目指すのであれば正直手遅れになることも少なくありません。)
2 桐原書店 英文解釈の技術60 <超入門>
これも高校入試の出題文を素材にしており、無理なく始められます。例題60問とそれに対応した練習問題が60問あるので、英語の構造を理解する上で必要な演習を詰めるでしょう。
ということで、全国区を目指す、みなさん!
高校入試期間が1番の伸び時です!
特に、数学と英語をバッキバキに鍛えましょう!
部活もない、受験に集中する環境があるイマが稼ぎ時です。
部活もある、毎日の予習課題がある高校生になってから頑張るより絶対コスパいいから!