― 坂口志文先生 ノーベル賞受賞記念 ー特別講演ー
たった一つの「なぜ?」が、世界の常識を変える。
普通の高校生だった一人の少年は、やがて人類の病気の未来を変える研究者になった物語。
坂口志文先生のノーベル賞受賞を記念し、東進の「トップリーダーと学ぶ講演会」を下記の日程と開催場所で、実施いたします。
| Date | 時間 | 場所 |
| 12/11(木) | 1830~1930 | パトリア3階 |
| 12/12(金) | 1830~1930 | ラクナ ホール3 |
| 12/18(木) | 1830~1930 | パトリア3階 |
| 12/18(木) | 1900~2000 | 輪風館 2階 |
| 12/19(金) | 1830~1930 | ラクナ ホール3 |
| 12/20(土) | 1500~1600 | パトリア1階 |
セクション1:坂口志文先生って、どんな人?
滋賀の高校生から、世界のノーベル賞へ
坂口志文(さかぐち しもん)先生は、滋賀県長浜市生まれ。
みなさんと同じように、地方の県立高校で学んでいた“ごく普通の高校生”でした。ウィキペディア
そこから京都大学医学部へ進学し、医師としての道と、研究者としての道の両方を歩み始めます。
大学卒業後は、愛知県がんセンターでがんの研究に携わり、その後アメリカのジョンズ・ホプキンス大学やスタンフォード大学で研究生活を送りました。大阪大学先端科学技術センター+1
日本に戻ってからは、京都大学や大阪大学で研究室を率い、
**「免疫のはたらきを根本から理解したい」**という想いで、何十年も地道な実験を続けてきました。大阪大学先端科学技術センター+1
そして2025年。
「末梢免疫寛容(まっしょうめんえきかんよう)」という、免疫の新しいしくみを明らかにした功績が評価され、
アメリカのメアリー・E・ブランコウ博士、フレッド・ラムズデル博士と共に、
ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。NobelPrize.org+2NobelPrize.org+2
セクション2:何がそんなにすごいの?「免疫のブレーキ」=制御性T細胞
体の中にひそむ「暴走を止めるヒーロー細胞」
私たちの体には、「免疫」というすごい防衛システムがあります。
ウイルスや細菌と戦って、私たちを守ってくれる、大切な仕組みです。
でも、もし免疫が暴走して 「自分の体」まで攻撃してしまったら?
それが「自己免疫疾患」と呼ばれる病気で、1型糖尿病や関節リウマチなどの原因になります。
長いあいだ、研究者たちは
「危険な免疫細胞は、“胸腺(きょうせん)”という臓器であらかじめ“退学”させられている」
と考えていました。これが「中枢性免疫寛容」という考え方です。NobelPrize.org
でも、それだけでは説明できないことがたくさんありました。
「なぜ、本当は危ない免疫細胞が残っているはずなのに、ほとんどの人は普通に元気で生きていけるんだろう?」
坂口先生が見つけた答えが、
**「制御性T細胞(Regulatory T cell, Treg:ティーレグ)」**という“ブレーキ役”の細胞です。
- 免疫の「アクセル」:敵を攻撃するT細胞たち
- 免疫の「ブレーキ」:攻撃しすぎないように見張る制御性T細胞
このバランスが崩れると、自己免疫疾患やアレルギー、がんなど、さまざまな病気が起こります。
逆に言えば、制御性T細胞を上手にコントロールできれば、これらの病気を治す新しい治療法が生まれるかもしれない。
実際に、制御性T細胞を使った治療法は今、世界中で200件以上の臨床試験が進んでおり、
自己免疫疾患・がん・臓器移植などへの応用が期待されています。Reuters+2ガーディアン+2
セクション3:世界に認められるまで ― 逆風とあきらめない心
「そんな細胞、本当にあるの?」と言われ続けた日々
1995年、坂口先生はマウスを使った実験で、驚くべき結果を得ました。
- 健康なマウスからT細胞を取り出す
- その中から「CD25」という目印を持つT細胞だけを取り除く
- 残ったT細胞を別のマウスに入れる
- するとマウスは、自分の体を攻撃する自己免疫病を次々と発症
- そこに「CD25を持つT細胞」を戻すと、病気が治まる
この結果が意味するのはただ一つ。
**「免疫の暴走を止める、特別なT細胞が存在する」**ということでした。

しかし当時、
「免疫を抑えるT細胞なんて、前の説が否定されたじゃないか」
という空気が世界の研究者にあり、
坂口先生の発見は、なかなか信じてもらえませんでした。Lab BRAINS+1
論文が通らない、研究費もなかなか出ない。
「本当に正しいのか?」という疑いの目を向けられながらも、
坂口先生は、同じテーマに何十年も粘り強く取り組み続けます。
セクション4:坂口先生から、これからの世代へのメッセージ
「うそは消え、本当だけが残る」世界で生きるということ
科学の世界は、「うそが消え、本当のことだけが残る世界」だと言われます。ウィキペディア
実験結果がすべて。
うまくいったふりも、カンだけで決めた予想も、
データと時間の前には、必ず見抜かれてしまいます。
だからこそ、
- 失敗してもごまかさない正直さ
- 「なぜ?」をあきらめずに問い続けるしつこさ
- 一つのテーマを、何十年も掘り続ける根気
これが、世界レベルの研究者に共通する力です。
今回の講演では、
- 坂口先生が高校生のころ、何に悩み、どんな進路を選んだのか
- 海外での研究生活で感じたこと
- 「信じてもらえない」時代を、どうやって乗り越えたのか
- そして、これから科学を目指す中高生に伝えたいこと
を、わかりやすくお話しいただきます。理系・文系問わず、一つのことを信じて、追求する生き方に触れてください。
セクション5:こんな人におすすめ
ひとつでも当てはまったら、ぜひ来てほしい!
- 理科・生物・化学・数学が好き、あるいはちょっと興味がある
- 「研究者って、毎日何してるの?」と素朴な疑問がある
- 将来、医学部・薬学部・理学部・工学部などに進学したい
- 英語や留学、海外で活躍することにも興味がある
- まだ夢が決まっていないけれど、「何かに本気で打ち込みたい」と思っている
- 探究活動において、探究テーマの見つけ方や課題の掘り下げに興味がある

セクション6:講演会 概要・日程(開催場所の詳細は、最新情報を確認のうえ、おいでください。)
ノーベル賞受賞記念講演 概要
- タイトル:ノーベル賞受賞記念講演
「私の研究人生、興味、継続、革新」
本講演内容のダイジェストはこちら。 - 講師:坂口 志文 先生
(大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授
京都大学名誉教授
レグセル株式会社 設立 最高技術責任) - 対象:中学生・高校生(保護者・教員のご参加も歓迎)
- 参加費:無料
| Date | 時間 | 場所 |
| 12/11(木) | 1830~1930 | パトリア3階 |
| 12/12(金) | 1830~1930 | ラクナ ホール3 |
| 12/18(木) | 1830~1930 | パトリア3階 |
| 12/18(木) | 1900~2000 | 輪風館 2階 |
| 12/19(金) | 1830~1930 | ラクナ ホール3 |
| 12/20(土) | 1500~1600 | パトリア1階 |
あなたの「なぜ?」が、次のノーベル賞になるかもしれない。
もしかしたら、今このページを見ているあなたの中に、未来のノーベル賞受賞者がいるかもしれません
坂口先生も、最初は地方の高校からスタートしました。
特別な家に生まれたわけでも、
最初からすごい研究設備があったわけでもありません。
違いがあるとすれば、それは「好奇心を手放さなかったこと」。
- 「なぜ病気になるんだろう?」
- 「体はどうやって自分を守っているんだろう?」
- 「これを解き明かせたら、人の役に立てるかもしれない」
その小さな問いの積み重ねが、
やがて世界の常識を変える大発見につながりました。
さあ、次はあなたの番です。
「研究は、遠くの世界の話じゃない。
今日の一歩から、誰でも始められるんです。」
セクション7:トップリーダーと学ぶワークショップ
ー現代の偉人とともに学ぶ特別な体験ー
東進は「独立自尊の社会・世界に貢献する人財を育成する」という教育理念の実現に向けて、未来のリーダーを輩出するために、志を高め、人間力を育むイベントを多数実施しています。その中でも特に多くの生徒に刺激を与えているのがトップリーダーと学ぶワークショップです。詳細はこちら
世界はこんなにも
おもしろい。
目が見えず耳も聞こえないヘレン・ケラーが
最初に知った言葉は、WATERだった。
2歳から7歳に至るまで、視力と聴力を奪われた彼女の世界には、
暗闇と言葉にできない感情しかなかった。
そんな彼女の世界は、
WATERという言葉を知ることで、大きく変わったのだ。
東進より、あなたへ。
どんなに困難な状況であろうとも、
どんなに厳しい世界になろうとも、
自ら求め、考え、行動できる人は、
その手で未来を切り拓くことができる。
わたしたち東進は、
一人ひとりが大きな夢を持ち、
夢を志に変えて、未来を切り拓くような
しなやかな知性と感性を持った人に
なってほしいと願っています。






